SEE と LOOK AT : 差異化のメカニズム
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概要
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この研究は外国語習得の観点から, see と look at という意味的には似ているが違う概念をネイティヴスピーカーと日本人学習者が文脈上, どのように区別するか (差異化するか) を調べたものである。see と look at の部分が空欄になっている34の発話を与え, 空欄に適切な動詞を選択肢から選んでもらった。選択肢は「see のみ可能」, 「look at のみ可能」, 「see と look at のどちらも可能」の3つであった。結果はネイティヴスピーカーと日本人学習者の差異化が相当違うことを示した。その差異化の違いは両者の視点の違いによるものではないかと推察される。ネイティヴスピーカーは see を「見る行為者と対象の関わり」からの視点でとらえ, look at を「見る行為」からの視点でとらえている可能性がある。一方, 日本人学習者は see を「-意図」ととらえ, look at を「+意図」ととらえている可能性がある。
- 1997-06-11