黄色靱帯骨化に関する病理組織学的研究
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概要
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黄色靭帯骨化(OLF)の症例で手術時に摘出した標本をOLFと黄色靭帯の移行部,椎弓と黄色靭帯の移行部に注目し病理組織学的観察を行い黄色靭帯骨化の成因並びに発生機序について検討し,下記の結果を得た。1.骨化は下位椎弓の付着部で始まり上位椎へと進展していた。2.OLFは血管の豊富な層状の緻密骨よりなり,一部の症例ではOLF先端に多数の血管がみられた。3.全症例において,OLFの近傍には20-30μの大型の楕円形細胞が認められた。また,周辺がサフラニンOで赤く染まり,電顕所見から軟骨系細胞と考えられた。4.0LFの周辺では幅広い石灰化部が認められた。そして,基質小胞に石灰化があり,lamina limitansに固まれた石灰化部位が観察された。以上の所見より,骨化部近傍に軟骨様細胞と考られえる細胞と軟骨様基質がみられ,線維間基質に石灰化が生じており,OLFの骨化近傍部には血管が豊富にみられる症例もあり,OLFは軟骨内骨化の機序により生じていることが示唆された。
- 神戸大学の論文