土壌の不均一性に関する基礎的研究
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概要
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土壌と植生との関連を考える場合にそこでの植生を健全で活力あるものにしでいる土層の構成(固相の空間分布)には意外に不均一なものが隠されているのではないか,との想定のもとに,それがどの程度の空間単位をもとにしているのかについて在来の知見を整理し併せて若干の検討を行った。1.土壌構成の不均一性が植生に及ぼす影響についての既往の知見を渉漁して,これをマクロのものからミクロのものまで通覧した結果,農業生産に役立つと考えられる不均一性はセミミクロ以下の段階でのみ見られることを知った。2.さし当っての研究対象を客土材の混入を受けた耕地土壌に限定し,その中での骨材の混ざり工合を数量的に表示する方法として,採土時にサンプラーサイズを変化させてゆくことで生じる混合比の値のバラツキの変化パターンが活用できることを発見した。3.その手法を室内モデル土壌ならびに現地の水田と畑とに適用してその効果をたしかめた。4.客入材がさまざまな混ざり方をしている土壌を用いてポットによる栽培試験を試みある程度の不均一な構成の場合に現実に収量の最大が起りうることをたしかめた。
- 明治大学の論文