動物組織におけるカルボニル化合物に関する研究 : その1 仔牛および家兎肝臓にみられるα-Ketoaldehydeの単離同定
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概要
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屠殺後5〜6時間の仔牛肝臓を用い,カルボニル化合物を2,4-ジニトロフェニルヒドラゾン誘導体とし,薄層クロマトグラフィーにより分画した。少くとも23個のバンドが認められ,そのうち18個はα-ジカルボニルであった。単離,固定されたものは,pyruvaldehyde, 3-deoxypentosulose, xylosulose, 3-deoxyglucosulose, 2,3-diketogulonic acid, formaldehydeであり,さらにglucosuloseが推定された。また屠殺後ただちに凍結処理した家兎肝臓においても全く同様のカルボニルパターンが見られ,さらに,各α-ketoaldehydeの量は,4℃,24時間の貯蔵によりほとんど変化が見られなかった。これらのことから,同定されたα-ketoaldehydeは肝臓の成分または代謝産物であると考えられる。本実験は明治大学科学技術研究所の研究費ならびに私学研修福祉会の研究費によって行なったものであり,東京大学農学部,藤巻正生教授,加藤博通助教授との共同研究によるものである。
- 明治大学の論文
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