尿路上皮癌における尿中NMP22の臨床的検討
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概要
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目的:尿路上皮癌の予後は依然として悪く,早期発見が強く望まれている。従来,尿路上皮癌に特異的な腫瘍マーカーの報告はなく,尿中のNMP22が腫瘍マーカーとして役立つことが期待されている。われわれは,今回尿中NMP22を測定し,その腫瘍マーカーとしての臨床的有用性を検討した。方法:1999年11月より,当施設に来院した患者の中から尿路上皮癌患者54例(うち,膀胱癌48例)と他の良性疾患患者約600例の尿中NMP22を測定し,同時に尿細胞診を施行した。その有用性について,統計学的検討を行い,膀胱癌の腫瘍径,個数,浸潤度,異型度について重回帰分析を施行した。結果:尿路上皮癌患者における尿中NMP22および尿細胞診の陽性率は61.1%(33/54)および38.9%(21/54)であり,有意差が認められた(p<0.01)。また,膀胱癌において,尿中NMP22は腫瘍径に最も依存していた(p<0.001)。一方,良性疾患患者においては,尿中NMP22は尿中赤血球および白血球に最も依存していた(p<0.05)。結論:尿中NMP22は尿路上皮癌の診断において,尿細胞診より有効な検査法であり,治療経過のモニタリングにおいても,有用な検査法となりえることが示唆された。
- 東邦大学の論文
- 2004-11-01
著者
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竹内 康晴
東邦大学医療センター大橋病院泌尿器科
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澤田 喜友
東邦大学医学部第2泌尿器科
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澤田 喜友
東邦大学医療センター大橋病院泌尿器科
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竹内 康晴
東邦大学医学部泌尿器科学講座
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澤田 喜友
東邦大学医学部泌尿器科
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竹内 康晴
東邦大学医学部泌尿器科
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澤田 喜友
東邦大学医学部 泌尿器科
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竹内 康晴
東邦大学医学部 泌尿器科
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