Tense, VP and Temporal Argument Chains : The Case of Perception Bare Infinitival Complement Constructions
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概要
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Tenseは動詞句(VP)が表す「時」をその項とする時間に関する述語であるとする考え方に依ると,動詞句の分布に間する制約はTenseとの選択関係において捉えることができる。Tenseなどの機能範疇の介在が形態的に明示されない知覚動詞の裸不定詞補文は,経済性の点からもVPと分析することが妥当と考えられるが,しかし,この分析ではTenseに直接選択されていないVPの分布が許容されることになる。裸不定詞補文を含む知覚構文の共時性や補文述語の特徴などに基づき,本稿では裸不定詞補文の時間項が上位の節の時間項とchainを形成し,この時間項のchainがTenseの項となることを提案し,Tenseに直接選択されていないVPが許容されうる新たな分析を提示する。裸不定詞を含む知覚構文に特徴的な主な統語的現象に対し,この構造においてはtemporal argument chainが必須であるという分析に基づく合理的な説明が与えられることを示す。また,時間項が形成するchainがDP chainとも共通する性質を有することを示し,本稿の分析が時間項が統語的には時を表すDPであるとするZagona (1990), Stowell (1993)らの提案を支持するものであることを示す。
- 神奈川大学の論文
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