ハンセン病療養所における「患者作業」の歴史 : K園を中心として
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概要
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国立ハンセン病療養所の歴史は,1909(明治42)年から始まる。同時期に,入所者が働く「患者作業」の歴史も始まっている。療養所内における入所者の生活は,貧困と徹底的な管理体制下に置かれた。「患者作業」は,その経済的救済の意味も含め,初めは慰安的作業として開始されたが,後に入所者の経済的困窮や療養所運営の困難性と結びついていく。戦後は,入所者数の増大と施設拡大に合せ,作業業務の過重化をたどっていくことなる。そうした過程の中で,「患者作業」は療養所運営の根幹を為すようになり,入所者の手によって運営管理され始める。そうすることで,「患者作業」は入所者の生活改善要求の手段として使用されることになっていったのである。
- 長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部の論文
- 2005-03-01