水晶体温存硝子体手術における周辺硝子体切除
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概要
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重症な網膜硝子体疾患に対する硝子体手術では完全な眼内郭清を行うことが前部増殖硝子体網膜症に対する予防になるため,水晶体切除を行うことが多い.しかし,50歳以下では白内障が見られないことも多く水晶体温存で行う場合もある.今回我々は硝子体手術時における眼内灌流のポート位置やポート数を変えることで水晶体を温存したまま,より確実な周辺硝子体の処理ができるかを検討した.対象は核白内障がEmery-Little分類のGrade1以下の網膜硝子体疾患18例18眼で,通常の3ポート硝子体切除術で行った群をA群,術中灌流ポート位置を変えた群をB群,4ポートで行った群をC群とした.3群について周辺硝子体切除後に硝子体可視化のためにトリアムシノロンを噴霧し残存硝子体を観察した.また,術後に水晶体の混濁を観察した.残存硝子体はA群では下方に多く見られたが,B,C群ではA群に比べ少なかった.水晶体混濁はA群では水晶体後極に2例,B群では水晶体赤道部付近に1例見られたがC群では見られなかった.これらより,水晶体温存硝子体手術では4ポートを用いることで水晶体に影響が少なくより確実な周辺硝子体の処理が可能であると考えられる.
- 2005-05-31
著者
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