ウサギ前房内接種型腸球菌眼内炎に対するガチフロキサシンの結膜下注射および点眼の抑制効果
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概要
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正常ヒト結膜から分離した腸球菌(Enterococcus faecalis)をウサギ前房内に接種して眼内炎モデル(1群7匹7眼)を作製し,0.3%ガチフロキサシン(GFLX)の点眼及び結膜下注射を用いた眼内炎抑制効果を,生理食塩液を対照として検討した.点眼は腸球菌前房内接種30分前,直後及び1時間後,翌日からは4時間間隔にて1日3回3日間投与した.一方,結膜下注射は腸球菌前房内接種直後に一回だけおこない前房混濁のスコア及び眼内の生菌数を比較検討した.接種24時間後からみられた前房混濁を,GFLX点眼および結膜下注射は同等にすべての観察時点で生理食塩液に比較して有意に抑制した.また生理食塩液点眼群および結膜下注射群では7眼のうち4眼ずつで房水から細菌が検出されたが,GFLX点眼群および結膜下注射群ではそれぞれ1眼からも検出されなかった.以上の結果から,GFLXの点眼および結膜下注射は術後眼内炎の発症抑制に有効であると考えられ,方法としての結膜下注射は周術期感染予防のための抗菌薬使用法の一つの選択肢となりうることが示唆された.
- 横浜市立大学の論文
- 2005-03-31