GISを用いた九州南部地域の里山における竹林拡大の時系列的変化と要因の検討 : 宮崎県高岡町の事例

概要

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竹林拡大の時系列的様相と要因,特に九州南部の里山におけるそれらに関する知見を得ることを目的として,竹林管理が異なっていた宮崎県東諸県郡高岡町内の内山地区と楠見地区の2地区において,1971年,1983年,1990年,2001年の空中写真とGISを用いて30年間にわたる竹林拡大の時系列的変化について検討し,更に1990年〜2001年の11年間において拡大した竹林を対象に竹林拡大と立地環境要因との関係を分析した.地区全体としてみた場合,内山地区では竹林面積,竹林数のいずれについても全期間を通じて増加し,30年後にはそれぞれ当初の6倍及び3倍となり,竹林拡大は明らかであった.これに対し,楠見地区では拡大は当初の12年間を除いてみられず,竹林拡大は地区によって差があり,竹林拡大に対する竹林管理の影響がうかがわれた.また,個々の竹林についてみると,新たに出現する竹林とともに消失する竹林がみられ,複雑な様相を示すことがわかった.一方,1990年から2001年の間に実際に拡大した竹林について検討したところ,竹林拡大と立地環境要因との関係については,内山地区において斜面方位については関係がうかがわれたが,楠見地区及びその他の要因については明らかではなかった.
2004-03-30