インスリン非依存型糖尿病における膵内分泌機能予知法としての糖二重負荷試験の意義に関する研究
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概要
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膵B細胞分泌予備能を臨床的に把握するために,健常者10名,インスリン非依存型糖尿病者413名に糖二重負荷試験(DLGTT)を施行した。DLGTTの成績は,日本糖尿病学会診断基準委員会の勧告値に従い,正常型,境界型,糖尿病型に分類した。糖尿病型は,空腹時血糖値により4群に分けた。一方,血糖曲線のバターンにより,I〜V型に分類した。I型は,夫々の糖負荷に応じ二峰性の血糖上昇を示し,且つStaub効果陽性のもので,II型は,二峰性を示すもStaub効果陰性のものである。正常型,境界型では,I型が多く,糖尿病型ではII型が多くみられたが,軽度耐糖能障害例ではI型からV型まで巾広い分布を示した。重回帰分析により,糖一重負荷試験の成績から二重目負荷後の値を推測し実測値と比較したが,軽度耐糖能障害例では推測困難な場合がみられた。糖尿病治療前後のDLGTTの結果より,Staub効果が陽性化する例では,血中インスリン(IRI)反応の有意な増加がみられ,膵B細胞機能の残存率が高いととが推測された。DLGTTにおける糖一重負荷時のIRI反応は,膵B細胞膜のブドウ糖感受性を反映し,二重目負荷後のそれは,膵B細胞分泌予備能を示唆するものと考えられた。以上の成績は,動物実験やブドウ糖静脈内負荷試験の結果と類似しており,DLGTTが膵B細胞分泌予備能を知る上で有用と思われた。
- 神戸大学の論文
著者
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