「法の比較」についての再考 : 比較法社会論のための覚書
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概要
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本稿は,法の比較について方法的な考察を行うものである.法の比較は,比較される法秩序のそれぞれの固有性をあきらかにするものである.このことを出発点にして,本稿では,次の6つの論点を検討した.法の比較においては,比較のための「問題」の設定が必要であるが,そこに問題を解決するという実践的な意図が含まれうることをどう考えるか.比較の対象である世界の諸法秩序の相互関連と変化の力学をどのように見通すか.法の歴史的発展に普遍的な段階があるという考え方は,法の比較にどのような作用を及ぼすか.とくに近代社会の法発展モデルは,日本の戦後の社会と法の分析にどのような影響を与えたか.固有の法現象を説明する場合,法意識や法観念などの文化的要素は,どのような作用を営むものとして考えるのか.そして法文化とはどのように定義され,法現象の構造のなかに位置づけられるべきか.筆者は,これらの方法的検討を比較法社会論というコンセプトを基礎づける目的をもって行った.
- 東京大学の論文
- 2004-03-19
著者
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