立地-数量競争モデルにおける立地結託について(<特集>日本経済と産業組織)
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概要
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本稿は立地-数量競争における部分結託を分析した.線形市場において複数の企業が第1期に共同で全企業の立地点を決め,第2期に結託を行わずに数量競争を行うとする.これは,立地選択では結託しているが,数量競争では結託をしていないという意味で部分結託である. Anderson and Neven (1991)の均衡分析では企業は中央に集積するが,ここでは市場規模と企業が支払わなければならない単位輸送費の比が十分小さければ,企業はちょうど2つの点で対称部分集積を起こすことが示された.中央集積は逆にその比が大きければ成立する.社会的な視点から見ると,前者のケースでは,企業が部分集積の際に中央から離れようとする私的な誘因を過大に持つ.また,企業数が増えることにより,企業が均衡では2点に立地するにもかかわらず,中央集積が社会厚生を改善できるようなパラメータ範囲が広くなることを示した.
- 2004-03-18