集積による集客力の形成(<特集>日本経済と産業組織)
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概要
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本稿では,各企業が販売する財の価値に不確実性がある場合に,立地-価格競争がどのような均衡をもたらすかに関して,2企業・2地域のケースを検討している.モデルの均衡では,移動費用が低い場合には集積・分散の両方,高い場合には分散,両者の中間では集積のみが現れる.これは,集積によって,消費者がその地域を訪れた際に一度に両店舗の商品をチェックできることからより高い価値の商品を購入しやすく,その結果として期待効用が高まっているためである.もっとも,この立地パターンは経済厚生の観点からは必ずしも最適ではなく,集積促進策・集積抑制策の評価はともにケース・バイ・ケースであることがわかる.
- 東京大学の論文
- 2004-03-18