現代中国の財務・統計諸表 : 「報表制度」と情報・計画・ガバナンス(<特集>WTO加盟後の中国)

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概要

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集権的な計画経済システムの前提として,計画当局はミクロ・マクロの財務・経営・生産・流通などにかかわる経済情報・統計情報を網羅的に把握する必要がある.中国では50年代初頭より,主として公的セクターを対象に,会計報表および統計報表と呼ばれる,財務およびその他の統計にかかわる諸表の作成・報告を義務づけてきた.しかし50年代末以降の経済的・政治的な混乱もあり,これらの情報は限定的かつ不完全で,物財・経済バランス諸表の策定は立ち遅れ,したがって経済計画も部分的なものにとどまった.移行経済期に入り,市場経済化と対外開放,企業改革の進展にともない,経済主体としての企業は財務情報の開示を迫られるようになり,計画経済期より引き継がれた会計諸表は国際標準に近接する形で進化している.他方で国有セクターなどに対して悉皆の形で存続する統計報告制度の場合,マクロ的にはともかくミクロ的には存在意義が希薄になりつつある.
東京大学の論文
2003-03-31

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