比較政治と国家機構の分析 : 政策ネットワーク論を中心に(<特集>政治分析のフロンティアと現代日本の政治変動)
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概要
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本稿では,政策過程における国家・行政機構の位置付けや役割を巡る,国家論や制度論などの比較政治の議論の変遷を概観した後,この論争の中での理論的立場の一つとして,政策ネットワーク論に注目する.政策ネットワーク論は元来,多元主義論を祖としながらも,今日ではいわゆる新制度論をより具体化させた議論としての側面を持つことから,社会中心主義と国家中心主義の交差地点上の議論と考えることが出来る.一般に,これら二大潮流の政策過程論は近年相当な収束を見せており,社会との相互関係を無視する国宗論的分析は現在考えにくいし,制度の重要性を認識しない行動論も稀有となった.日本政治における政策過程・組織制度研究も,国家レベルでの特徴づけを図るいわば大括りなものから,より実証性の高いセクター・レベルのものに重点が移ってきたことが指摘できる.
- 2003-03-31