EU政体への接近(<特集>ヨーロッパ統合研究への新たな視座)
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概要
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共通通貨ユーロを導入し,諮問会議を設けて憲法の制定準備を進行させている欧州連合(EU)は,その体制をますます具体化させつつあるように見える.それとともにその体制は,「多層的ガヴァナンス」,「政策ネットワーク」,あるいは「準連邦的政体」など,国民国家の政体に類似した概念で説明されるようになってきた.確かにEUの政体は,政府間主義が唱えるような国家間関係を遥かに凌駕しているが,しかし他方では,特定の国民国家的概念をもってしてはその複雑な全貌を説明することは依然として困難である.ましてや,将来に連邦制国家の形成を予定して議論することは的外れであろう.本論文は,EUの政体が,不断に政策領域を拡大しつつ,しかも領域ごとにさまざまなガヴァナンスのあり方を内包しながら,時と共に変化するものとして考え,政治学におけるさまざまな議論を参考にしてその現実の姿に接近しようと試みる.
- 2003-01-30
著者
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