赤血球ステージのマラリア原虫によって誘導される肝障害の誘導メカニズムに関する研究(兵庫医科大学医学会平成15年度学術講演会要旨)
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概要
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マウスマラリアPlasmodium berghei (P.berghei)に感染したマウスは,炎症性サイトカイン血清値の上昇と,多臓器障害を伴い死亡する。今回私は,P.berghei感染時に誘導される肝障害機構について検討し,次のことを明らかにした.P.berghei感染後,原虫生成物はToll-like receptor/Myeloid differentiation facytor 88系を活性化し,IL-12産生を誘導する.このIL-12は継いで,マウスの肝臓に集積したCD1d非拘束性のNKT細胞を異常に活性化し,肝実質細胞傷害性細胞へと分化させる.その結果,マウスは肝障害に陥る.また,原虫は肝実質細胞には感染していないにもかかわらず,肝障害が誘導されることから,肝実質細胞は,いわゆる"bystander killing"機構によって傷害されていることが考えられる.
- 兵庫医科大学の論文
- 2004-04-25