世界システム論とグローバリズム : 近代世界システム概念の吟味(山本英男先生退職記念号)
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概要
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本稿では,1960年代に登場した日本における世界資本主義論,1970年代以来のアメリカにおけるウォーラーステインの理論,「南」の立場を鮮明にしたフランクとアミンの理論を取りあげ,各世界システム論における近代および資本主義概念について検討した。日本における世界資本主義論,ウォーラーステインおよびアミンの世界システム論では,1500年後のヨーロッパの優勢を認めつつ,21世紀におけるその転換の可能性が論じられている。これに対しフランク世界システム論の新説は,世界システムの連続説を主張するとともに,18世紀までのアジアの優勢について論じ,ヨーロッパ中心主義史観の克服という課題を提案した。現代世界経済は北米,EU,東アジア(東北および東南アジア)という3極の成長センターを形成しているといわれるが,とりわけ東アジアの歴史分析のためには,従来の歴史理論と概念では捉えきれない問題が生じる。いまわれわれには,フランクの新説が試みたような新しい理論仮説と概念構築の試みが必要とされている,と指摘した。
- 千葉商科大学の論文
- 2005-03-31
著者
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