イギリスにおける一元的金融監督機関の成立と金融検査・モニタリング
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概要
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イギリスにおいて銀行監督機能が中央銀行から分離されて、広範な金融サービス活動に対して一元的な金融監督業務を行う金融サービス機構(Financial Services Authority、FSA)という一元的な金融監督機関が成立した。本稿は金融監督機関の国際比較研究の一環として金融サービス機構の成立と金融検査・モニタリング活動を考察して日本の金融監督機関の金融検査・モニタリングの在り方を考える一助としようとしたものである。本稿の第1章ではイギリスにおいてイングランド銀行から銀行監督機能が分離されて一元的な金融監督機関が設立された過程やその背景について論じている。第2章ではFSAの概要を項目別に考察している。組織的には総務、監督、免許・行政処分執行・消費者相談の3部門から構成される。第3章ではイングランド銀行による銀行検査・モニタリングと金融サービス機構の金融検査・モニタリング活動を究明している。立入検査は金融機関との協議が中心であるが、実地検査も行う。オフサイト・モニタリングは金融検査と密接に関係している。イギリスではFSAにより一元的な金融監督が行われていながら、それが独占的、統制的組織とならないような配慮がなされているのである。FSAは金融機関自身の管理を信頼し、外部監査も活用している。専門的な知識と経験を有する職員などにより、きわめて広範な金融機関に対して、立入検査・モニタリング活動を行っている。これにより金融システムに対する信認の維持などに寄与しているのである。
- 2004-12-31
著者
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