厚生年金制度の抜本的改革
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本の公的年金制度は,崩壊の危機に瀕している。その理由は,保険料の引き上げと年金給付の削減が際限なくつづいており,若い世代の負担が上がりつづけるという見通しになっていることである。04年6月には年金改革法が成立したが,これは公的年金への不信を解消するものではなかった。厚生年金と国民年金とは給付面のみで一元化されており,保険料負担の方式は異なる。真の一元化は不可能であろうから,分けて改革していくしかない。ここでは厚生年金のみの改革を考察する。負担した保険料が年金として戻ってくることが信頼を回復するための基本である。しかし,これまで保険料を負担してきた40歳以上の人は,保険料を上回る年金をもらっているか,あるいはそうなる予定である。したがって,40歳以下の人がある程度それを税として負担せざるをえない。そこで,厚生年金の改革は,少なくとも本来の保険料(年金として戻ってくる部分)と税の部分をはっきり分けるべきである。本来の保険料からは負担に比例する年金を給付すべきである。それが低い人には税の部分から上乗せを行い、最低保証年金の水準まで引き上げる。これによって保険料率を引き下げる,あるいは上昇を抑制することが可能となろう。
- 千葉商科大学の論文
- 2004-09-30
著者
関連論文
- 世界金融危機の原因、現状、見通し(米国発世界同時不況 : 日本の景気はいつ回復するのか?)
- 貧困の増大と貧困研究の現状
- 京都の散歩、パリの散歩
- 家計貯蓄率に冠する最近の研究動向
- 経済研究所主催公開シンポジウム「M&Aの新潮流」(事業レポート)
- 公的年金の不安な将来 : 何ができるのか(日本の社会保障は大丈夫か?)
- マクロ経済から見た景気回復(景気は本当に回復したのか)
- 国際資本移動の増大と為替レート制度の選択
- 日本経済の長期停滞を考える(特集 : 長期経済停滞の構造と解決策を考える)
- 米国景気の行方を読む (特集:景気の行方を読む)
- 第2部 パネル・ディスカッション IT時代の日本経済が進むべき道 (特集 21世紀の創造--ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム)
- 北京大学(在外研究レポート)
- 中国の企業・産業事情 : 最近どうなっているか(最新中国経済レポート)
- 現代中国社会の問題と課題
- 世界金融危機の現状と見通し(パートII)
- 中国の企業制度と産業発展
- 厚生年金制度の抜本的改革
- ユーロ危機の現状と展望(最新ビジネス・レポート)
- 日本銀行の新施策を評価する(最新ビジネス・レポート)