中国語指示代詞の性格に関する再論
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
中国語の指示代名詞について,数年前に筆者は一つの小論を発表したことがある。しかし,それが主に文化的視点からの考察であったものに対して,本稿は,具体的,かつ技術的な問題を論じるものである。まず,指示代名詞という言い方について,中国語指示詞は名詞だけを指すものではない特徴をかんがみ,中国語の文法用語を借用して,単に指示代詞と呼ぶことにする。次に,指示代詞の数量関係について,多くの学者が中国語指示代詞を「単数」「複数」と分けることに対して,その指示代詞自体は数量的性格を持たず,後に量詞(助数詞)と接続してから,はじめて数量関係を有するようになった,と指摘する。また指示代詞が量詞と接続した後,口語での発音変化があるが,この指示代詞の発音変化について,通説としての「那nei」「〓nei」の発音表記が適切ではなく,それぞれ「nai」「nai」と表記すべきである,と主張する。
- 千葉商科大学の論文
- 2003-09-30
著者
関連論文
- 「鶴林玉露」著者羅大経に関する再考
- 「礼失われて諸を野に求む」 : 実例で和刻本漢籍の価値を試論
- 「中国」考
- 徽宗と蔡京--権力の絡み合い (特集 徽宗とその時代)
- 中国語指示代詞の性格に関する再論
- 中国の正月今昔談 (特集 アジアの正月)
- 皇帝権力に関する再論(そのニ) : 思想史の視点からの展開
- 「平世の良相」-王旦 : 君臣関係のケース・スタディー(その2)
- 皇帝権力に関する再論 : あわせて富田孔明氏の反論に答える (伝統中国の政治理念と支配)