原発性肺癌骨転移における骨代謝マーカーの有用性
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概要
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目的:肺癌患者を対象に骨転移の診断およびモニタリングにおける骨代謝マーカーの有用性を検討した。対象および方法:原発性肺癌患者80例(骨転移(+)群39例,骨転移(-)群41例)を対象に骨吸収マーカーであるserum cross-linked carboxyterminal telopeptide of type I collagen (ICTP), urinary pyridinoline (Pyr)とdeoxypyridinoline (Dpyr),骨形成マーカーであるserum carboxyterminal propeptide of type I procollagen (PICP)および腫瘍マーカーのCEA,CYFRA,Pro-GRPを経時的に測定し,比較した。結果:ICTP,Pyr,Dpyrは骨転移(-)群に比べ骨転移(+)群で有意に上昇し(p<0.01),ICTPとPyrは骨転移の単発例と多発例の比較でも有意差が認められた(p<0.05)。しかし,PICPと腫瘍マーカーはいずれも有意差はみられなかった。ICTPとPyrは骨転移の診断に関して感度が最も優れていた。Receiver-operating characteristic (ROC) curvesから得られたarea under the curve (AUC)はICTPが0.70,Pyrが0.69,Dpyrが0.67であり,ほぼ同等の成績が得られた。ICTP,Pyr,Dpyrは経過中に骨転移が進行した症例で有意に高値を示したが,骨転移の進行のない症例では有意な変動はみられなかった。一方,PICPと腫瘍マーカーに有用性は認められなかった。結論:ICTPとPyr,Dpyrの測定は肺癌骨転移の補助診断に有用であり,特に骨転移の進行のモニタリングにおいて有用性が示唆された。
- 東邦大学の論文
- 2004-01-01
著者
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