スウェーデンの高齢者福祉の変遷と現状 : 神奈川県看護職員海外調査派遣研修(デンマーク、スウェーデン)に参加して
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概要
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神奈川県看護職員海外調査派遣研修に参加し、デンマークとスウェーデンにおける保健医療福祉を視察した。本稿では、スウェーデンの高齢者福祉の変遷と現状について整理し、日本の課題について検討したので報告する。スウェーデンの行政は、中央行政組織と地方自治体組織があり、地方自治体には県が全国に20あり、保健医療、公衆衛生、教育等の業務を行なっている。また、市が289あり、就学前児童教育、高齢者ケア、障害者ケア等の業務が行なわれている。スウェーデンにおける高齢者福祉の歴史の特徴は、(1)徹底した地方分権、(2)公的セクターを中心にしたサービス提供、(3)租税を中心とした費用負担、(4)住宅政策との密接な関係、である。在宅でのケアの中には、ホームヘルプサービス、ナイトパトロール、訪問看護、緊急呼び出し電話、近親者看取り休暇、家族ヘルパー・介護手当て等がある。施設は「介護つき住宅」と呼ばれ、その中にナーシングホーム、老人ホーム、サービスハウス等が含まれている。施設見学では、市が一つの単位となって24時間切れ目のないサポート体制を敷いていることが理解できた。また、「介護つき住宅」を見学した際には、一人一人の高齢者が大切にケアされ豊かな生活を送っていた。研修をとおして、日本はスウェーデンをモデルにしながら日本の文化に合った高齢福祉の方向を検討していく必要があると考えた。
- 2005-07-30