島地大等が宮沢賢治に与えた影響
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概要
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本稿では,宮沢賢治が「法華経」に帰依するきっかけとなったものは,島地大等著『漢和對照妙法蓮華經』であることを主張する。具体的には,以下のことを指摘する。(1)大等の「大乗起信論」講義と『漢和對照妙法蓮華經』の解説が,賢治を「法華経」に開眼させた。(2〜6節)(2)『漢和對照妙法蓮華經』の解説中の日蓮への言及が,賢治に日蓮への関心を抱かしめた。(8節)(3)その結果,「浄土門」への懐疑が生じ,日蓮の「唱題」を選ぶようになった。(7節)(4)大等と賢治の「大乗起信論」の理解の仕方に相違がある。(9節)