『華厳経』と教育 (二)
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概要
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「方廣佛華嚴經」の「入法界品」は善財童子の求道の旅を描き、さまざまな善智識と出会うことによって彼の信仰の深まり、即ち修行者としての成熟を位置づけるものである。佛道を窮めようと発心した善財童子は、文殊師利菩薩と出会い、その素質と性向の良さから、この童子は普賢行を修めるべき人物とされ、善知識を訪ねて普賢行を達成するよう勧められる。最初に文殊師利菩薩から功徳雲比丘に教えを受けるよう勧告されて彼を訪ねる。功徳雲比丘から善財は「普門光明観察正念諸佛三昧」についての教えを受け、「憶念諸佛」を学び、功徳雲比丘は修行を達成するためには、海雲比丘を訪ねるよう勧められ、海雲比丘を訪ね、海雲比丘に「普眼經」を学び、思念することで事物のありのままの状態を捉えることを学び、更なる修行のために善住比丘を訪ねるよう勧められる。そこで善財は善住比丘を訪ね、「無礙法門」を教えられ、一層の修行のために良醫彌伽への法門を勧告される。良醫彌伽を訪ねた善財は彼から「菩薩所言不虚法門」を教えられ、更に信仰を深めるために解脱長者を訪ねるよう勧められ、彼を訪ね、「如來如來無礙法門」を教えられることになる。善財の修行は十地の第一段階の「信」にあるが、善智識の教えの中で「認識」の深まりがあり、信仰がより深化されていくことが明確になっていく。
- 大手前大学・大手前短期大学の論文