一般学生における10週間の軽度体重減量が体組成,血圧,末梢循環および体力に及ぼす影響(III.自然科学系)
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概要
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健康な18-20歳の一般大学生22名を対象として,体組成,血圧,加速度脈波および体力に及ぼす10週間の可能な限りの朝食抜きを中心とした体重調整を行い,その影響について検討した。結果は下記のとおりである。1)体重,周径(胸,腕),皮下脂肪(背,腕)および%fatは有意に減少し(p<0.05),LBMは有意に増加した(p<0.05)。血圧は有意に低下し(p<0.05),末梢循環(APGindex)は有意に改善を示した(p<0.05)。一方,肺機能ではFVCが有意に減少した(p<0.05)。反復横飛,反応時間,握力,背筋力および脚伸展力は有意に増加した(p<0.05)。しかし垂直跳びと上体おこしは変化がなかった。2)体重減量が大の群(a群:n=8)と体重減量が少の群(b群:n=14)の比較では,体重はa群(-2.8kg-4.7%)では有意に減少したが(p<0.05),b群(-0.2kg-0.3%)では不変であった。%fatは両群ともに有意に減少し(p<0.05),LBMは両群ともに不変であった。収縮期血圧は両群で有意に低下し(p<0.05),拡張期血圧および安静脈はa群が有意に低下したが(p<0.05),b群では不変であった。末梢循環(APGindex)は両群ともに増加したが,有意ではなかった。体力では,a群でFVCが有意に低下し(p<0.05),逆にb群では胸囲(p<0.05),上腕囲(p<0.01)が有意に減少し,反応時間,握力および背筋力がそれぞれ有意に増加を示した(p<0.05)ものの,その他は不変であった。3)以上の結果から,大学生を対象とした10週間の朝食抜きを中心とした軽度な体重調整は体組成,末梢循環,血圧および体力の改善・維持には有効である。
- 2004-02-28
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