カウンセラーがクライアントに物質的援助を行う意味について : 「純粋性」の一つの表現として(I.教育科学系)
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概要
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本論文は,カウンセラーがクライアントに物質的援助を行う条件と積極的意味について考察することを目的としている。本論文においては,一人の非行少年の事例の検討を通して,次の見解が示された。(1)物質的援助を考える際,クライアントの生を願うカウンセラーの無粋な思いの存在が前提となる。(2)次に,a)クライアントのパーソナリティやカウンセラー・クライアント関係についてのカウンセラーの見立てが的確であり,b)クライアントの心理的作業についての深い理解が伴い,c)クライアントがしなければならない心理的作業を肩代わりすることにならないという条件を満たすことが必要である。(3)上記の前提と条件を満たす場合に,物質的援助を行うことがカウンセラーの純粋性の一つの表現となりえ,さらにそれがクライアントを支え,クライアントの心理的作業を支えるという積極的な意味をもちうる。
- 千葉大学の論文
- 2004-02-28
著者
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