大名茶の完成は遠州、そして石州は新たな大名茶を構築したとみるべきであろう。幕藩体制の熟覧期に、石州の茶は柳営茶湯と称されるに至った。織部、遠州の茶湯とどう違うのか。石州の生い立ち、茶湯の経歴、更には侘び茶を基本とする千利休と石州の比較、大名茶として時代の要請を背景としながら、独自の茶風をつくり上げていく石州の茶への一考察である。
長崎国際大学国際観光学科