地方債の拡大に関する実証分析 : 都道府県を対象に
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿は、1990年代以降、地方債が拡大してきた要因を探ることを目的とする。都道府県の財政データを対象に、地方債の発行額を性質別・事業別に捕捉し、それぞれの推移と寄与度を用いて分析を試み、分権改革に必要と思われる視点を考察する。2章では、地方債を知る上で重要な「交付税措置」「許可制度」などを概説し、二つの先行研究を紹介する。3章から7章では、性質別に地方債発行額を分類し、寄与度分析を行う。地方債の拡大には、第1に、国の政策による支出拡大への誘導、第2に、地方自治体の投資意欲と、二つの要因が影響してきたことが明らかにされる。8章では、そうした地方債発行額の推移と「起債充当率」の変遷に触れたうえで、現在進行している分権改革:において、地方債の制度改革を含めた政府間財政関係の再構築が必要であることを提言する。
- 2005-03-31