NPO法人による精神医療情報公開と作業療法士の役割 : 「新潟精神医療情報誌」発刊を通じて
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概要
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精神医療に関する情報を事前に利用者に提供することは、利用者の自己選択、自己決定の幅を広げることにつながる。病院内でチーム医療の一端を担う作業療法士は、病院訪問、情報誌作成の過程において、医療従事者と一般市民の格差を埋めることや、一般市民の精神医療に対する理解促進に貢献することが可能である。大阪、そして今般新潟において、NPO団体が精神病院を訪問し、その結果を本として出版した。NPOがその多様性を確保し、病院訪問や情報誌作成などの活動をしていくためには、患者、家族、一般市民に加え、医療従事者の参加が重要であると考える。社会活動における作業療法士の活動は我が国ではいまだ少ない現状であるが、世界作業療法士連盟 (WFOT) の「作業療法士教育の最低基準」(2002年) でも社会活動が推奨され、"地域の保健・福祉ニーズ、文化的背景または保健・福祉システム" を理解し貢献することが求められている。この精神医療情報の公開という作業は医療・保健を担う専門職を含めた発信である点が重要であると考える。
- 2004-11-24