完全雇用下のドイツ社会的市場経済
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概要
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生産後退をともなう戦後初の本格的な1966/67年恐慌の発生にみられるように60年代は、社会的市場経済が奇跡の復興を演じた50年代とは異なって、繁栄の中にありながらも厳しい試練に立ち向かわざるをえない時期となった。高成長の実現により、社会国家に必須の負担(農業問題、社会保障等)をカバーすべく社会的市場経済に対し、これまでの成長軌道に修正を迫る新たな構造的制約条件となったものは、(1)内外均衡の同時達成の困難、(2)産業構造再編と慢性的労働力不足、(3)漸次的な財政赤字の進行、といった諸問題であった。このため競争条件の整備にウェイトを置く供給サイド重視の政策に止まらず、需要サイドからの刺激を重視するケインズ的誘導政策の試行もなされるに至った。
- 岐阜大学の論文
- 1999-09-20