弘文院学士号の成立と林我鵞峰
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
林鷲峰が寛文三年十二月に「弘文院学士」の名号を得たことの意義は、主要には学者の仕官形態に関わるものであり、この名号は羅山以来の僧侶のごとき「法印」号出仕の「儒者」という桎梏からの解放を林家にもたらした。一方、「弘文院 (館)」は東アジア文化圏内では教育や外交に参与する代表的な文官の地位を表象する官職・名号であり、この号の獲得は特に対朝鮮外交の局面で意義を持った。つまり「弘文院学士」号は、林家の国内外での地位の向上と確立とに寄与する名号なのであった。
- 1991-09-30