『倭語類解』の刊本と写本の体裁比較 : 苗代川写本『和語類解』の原本復元の試みから
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概要
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本稿では, 『倭語類解』の刊本と写本の本文の体裁を比較し, 写本の原本の復元を試みる書誌的な観点を考察した。刊本には永平寺本・中央図書館本の二冊がある。永平寺本の補写の六張分と中央図書館本の対応部分を比較すると, 永平寺本の補写部分が中央図書館本系の整版から書写された可能性が高い。また, 刊本と写本との本文の体裁を比較すると, 両書がそれぞれ連関しており, 苗代川写本「和語類解」の原本は, 現存の刊本系である可能性も排除できないと思われる。仮に, 写本の原本が原『倭語類解』系であるとするならば, 原『倭語類解』系の体裁は現存の刊本 (永平寺本・中央図書館本) とさほど変わらないと思われる。
- 1991-09-30