スルフヒドリル化合物による骨髄間質細胞における神経特異的マーカーの発現
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概要
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骨髄間質細胞がβ・メルカプトエタノール(β-ME)の添加により神経細胞に分化することが報告されている。本研究では、β-ME以外のスルフヒドリル(SH)化合物やSH基と強く結合するp-クロル安息香酸第二水銀(PCMB)がラットの大腿骨から調整した骨髄間質細胞を神経細胞に分化させるかどうかを調べた。細胞の形態変化の観察に加え、神経細胞に特異的なタンパク質に対する抗体を用いた免疫組織染色により、神経細胞への分化を確認した。分化誘導剤としてβ-ME、還元型グルタチオン、PCMBを用いた場合、一部の骨髄間質細胞は神経細胞様の形態になり、神経特異的エノラーゼを発現した。このことは、神経様細胞への分化には細胞外のSH基との反応が関与しており、SH化合物やPCMBとの反応が分化のきっかけになっている可能性を示唆する。
著者
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相良 順一
茨城県立医療大学保健医療学部医科学センター
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牧野 誠夫
茨城県立医療大学保健医療学部人間科学センター
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牧野 誠夫
茨城県立医療大学 人間科学センター
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相良 順一
茨城県立医療大学 医科学センター
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