担子菌酵母の同定のための特異的PCRプライマーの開発
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概要
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PCRを利用した担子菌酵母の同定を行うことを目的として,特異的PCRプライマーを設計し,検討を行った。供試菌としてUrediniomycetes綱のSubbrunneus系統グループに含まれる4種(Sporobolomyces coprosmicola, Spa. dimmenae, Sp. subbrunneus)ら4種は現在Sporobolomyces属に分類されているが,18S rDNAの塩基配列に基づく系統学的解析より,Sporobolomyces属の他の種とは明らかに独立した系統群を形成していることが明らかにされている。しかし,subbrunneus系統グループの4種は,表現形質ではSporobolomyces属の他の種と識別することができない。そこで,Sporobolomyces属の27種の基準株について18S rDNAの塩基配列を比較し,subbrunneus系統グループを特異的に増幅するPCRプライマーの設計を行った。設計したプライマーDSf1/DSr1を用いて,subbrunneus系統グループの4種9株を含むSporobolomyces属13種18株について同一条件でPCRを行い,アガロースゲル電気泳動によりDNA増幅の確認を行った。その結果,subbrunneus系統グループの菌株にのみDNAバンドが検出され,それ以外の菌株ではDNAバンドは検出されなかった。以上の結果より,担子菌酵母の同定のために特異的PCRプライマーを利用することは有用であると示唆された。
- 2005-02-28