西表島中央部の土壌動物相 : 主としてササラダニ類,ムカデ・ヤスデ類及びアリ類(予報)
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概要
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西表島の中央林道に沿って浦内川上流域、板敷川下流域及びテドウ山附近を中心に、自昭和56年(1981年)7月26日至8月2日までの6日間、土壌動物相の調査を実施した。(主にササラダニ類、ムカデ・ヤスデ類、アリ類を中心として)調査期1週間前に300mmを越える集中豪雨があり、採集する条件としては必ずしも良好とは云えなかったが一応の成果はあった。おもにハンドソーテングで採集したので小形動物については見透しもあったように思うが、ササラダニ類 9種 ムカデ類 10種 ヤスデ類 7種 アリ類 24種合計50種が採集確認できた。1.本調査によって西表産ササラダニ類は88種の記録がされた(中玉利'81)○ Scopheremaeus sp. Apopophora remota Aoki. など、分類学上及び形態的特徴について今後検討の余地がある。2.ムカデ類・ヤスデ類 a ムカデ類 今後、西表中央部で採集された種類は、これまで知られる18属24種の中、10種を得たこれは西表産ムカデの約40%に相当する。また西表産ムカデの70%が南方系種で占められている。特にオオムカデ類が少ないような印象を受けた。b ヤスデ類 8料12属15種中、6属7種を採集確認できた。これは西表産ヤスデの46%に当る。その中、南方系種の占める割合は約80%である。3.アリ類 4亜料20属35種を採集した。a 沖縄本島で見られなかった種類 ○ Polyrhachis latona wheeler ○ Aphaenogaster sp. ○ Camponotus sp. などが採集された。その他、亜種の異なるPolyrhachisdives F. smith、P. latona wheelerが同一場所から採集された。4.本調査ではミミズ類も採集されたが十分固定できなかったので、次の機会に譲りたい。一応資料から除外した。5.今後の課題として前述したように定量測定ができるような方形区(50cm×50cm)地点を増し、統計的処理ができるように企画したい。6.今後の課題として 1)年次調査の蓄積によって森林を評価する重要な生態価の指標として種群を追究し、環境変遷経過を考察したい。 2)離接する地域との差異や特性を掌握できるようにしたい。 3)鳥類、は虫類その他動物の食物連鎖なども観察してみたい。
- 1982-03-31
著者
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