金融市場における投資方法についての理念と実際 : オルタナティブ投資を一例として
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概要
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本稿の前提とするものは「人は誤りを免れ得ないものである」という可謬論なる哲学上の命題である。本稿はまず可謬性のもとにおける市場の限界合理性 (即ち効率的市場仮説の部分否定) を認めた上で、伝統的資産運用方法の限界と集団的横並び的運用のパフォマンスの悪さを確認することから始め、不確定性原理下での人間の市場行動を金融工学的手法で解明する試みの限界を説き、これに替わるものとして金融市場における真に有効な資産運用方法たり得る「オルタナティブ投資」を実証的に考察する。本稿は捨象と抽象と実証データによって構成されて行くが伝統的投資方法などの既成のものの殆ど全てを否定し去った後と雖も、残ったものを正当化する論証にはならず、この限りではオルタナティブ投資は「否定した諸方法に代替するもの」と言えるのみである。これが本稿の言う「代替投資」の名の所以である。金融市場での投資理念の正否は、運用の結果が全てを語るものと本稿では考える。したがって諸々の代替投資の結果を比較検討してその中のヘッジファンドこそ正しい投資理念であるとし、それを実証的に検証するものである。そのためには第1章から7章までを要するが、紙数の制限上、今回は第2章までとし3、4、5、6章の詳細は次号以降の同範疇別個のテーマにおいて論述し、今回5、6、7章の梗概だけを要述して付記とし、本稿の結びに代えたい。
- 武蔵野学院大学の論文
- 2005-02-15
著者
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