環境会計の国際的動向 : 国連の取り組みを中心として(会計・情報領域)
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概要
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環境会計が国際的に展開しつつある現状において, 国連による環境会計の調査研究が果たした役割は大きい。本稿では, 環境会計に関する調査研究を行っている国連の2つの機関のうち, 「会計・報告の国際基準に関する専門家作業部会」(ISAR) による1987年から今日に至るまでの研究動向を調査し, 国連が将来に向けて確立を模索する環境会計の全体像を明らかにすることを目的とする。ISARによる10年以上におよぶ環境会計研究は, 環境情報開示の研究 (第1段階), 財務会計の枠内における環境会計の研究 (第2段階), エコ・エフィシェンシーの測定・開示の研究 (第3段階) を経て, 今日, 企業の社会的責任 (CSR) 報告を中心とした持続可能性報告の研究 (第4段階) に至っている。現在行われている第4段階の研究は, 単に1970年代を中心とした企業社会会計の再来ではなく, 新たな持続可能性会計の到来とみるべきであろう。なぜなら, 企業社会会計から持続可能性会計に至るプロセスにおいて環境会計が著しく発展し, 外部報告と内部管理の両面からの研究が行われるようになった経験を有しているからである。一方で, 現在, ISARにおいては, CSRに関する外部報告の側面が議論の中心であるが, ISOにおいて規格化の動向にあるCSRに関するマネジメントシステムと外部報告との有機的統合を見据えた議論が今後必要となる。
- 愛知学院大学の論文
- 2004-09-30
著者
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