心収縮に由来する鼻フローの微小変化(cardiogenic flow oscillation)を用いた睡眠時無呼吸症候群の覚醒時における上気道の病態の評価
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概要
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閉塞型睡眠時無呼吸症候群の原因は上気道にあり,上気道内腔が狭いことによる形態的原因と上気道開大筋群の活動度が低下する機能的原因が関与する。本研究では,上気道フロー・リミテーションを検出する方法により覚醒時の上気道の病態を評価した。35名の患者と8名の健常者を対象に,仰臥位での鼻フロー,食道内圧,心電図を測定した。上気道フロー・リミテーションは心収縮に由来する鼻フローの微小変化を用いて検出した(CFO法)。プロトコール1:覚醒時のCFO法により上気道フロー・リミテーションを正しく検出できるかを圧-フロー特性と比較して検討した。圧-フロー特性は複数個の呼吸でのそのゆらぎを用いる方法を開発した(ゆらぎ法)。CFO法とゆらぎ法による上気道フロー・リミテーションの検出結果はほぼ一致し、CFO法は覚醒時にも用いることができると考えられた。プロトコール2:覚醒時の上気道の病態を患者と健常者で比較した。患者のオトガイ舌筋の活動度と上気道抵抗は健常者よりも高く、患者では覚醒時にも上気道の病態は残存していた。また,覚醒時のCFOは健常者では正の値であるが、患者では約1/4の患者で負の値を示し、上気道フロー・リミテーションが観察された。プロトコール3:睡眠時の上気道の病態を模擬するため、上気道に-4, -8, -12 cmH_2Oの持続陰圧を負荷して評価した。-4cmH_2Oの持続陰圧を負荷したとき,上気道フロー・リミテーションは約1/2の患者で観察された。また,CFO値は睡眠時無呼吸の重症度と負の相関を示した。以上,CFO法により非侵襲的に覚醒時の上気道病態を評価することができた。CFO法は睡眠時無呼吸の覚醒時におけるスクリーニング法となる可能性がある。
- 金沢医科大学の論文
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