骨関節疾患とリハビリテーション(<特集>都民公開講座疾病予防とリハビリテーション)
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概要
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当教室で行った臨床研究のうち,変形性膝関節症に対する運動療法と膝前十字靭帯再建術術後の血流制限下(加圧)筋力訓練について紹介する.咋今のいちじるしい高齢化に伴い,加齢により生じる種々の骨・関節の退行性疾患も増加している.その代表として変形性関節症(OA)があり,膝に起こる変形性膝関節症(膝OA)は特に多く見られる.一般的には環境因子と先天性素因が関与するといわれており,環境因子としては,加齢(50歳以上)・女性・体型(肥満)などの関与が示唆される.症状としては,疼痛・可動域制限・O脚変形などが認められる.膝OAの治療法としては1)薬物療法,2)理学(物理)療法,3)運動療法,4)サポーター・杖などによる装具療法,5)手術療法,6)健康補助食品(サプリメント)による治療法がある.なかでも運動療法は伝統的に行われている方法で,誰でも自宅において簡単に行えるだけでなく,痛み止めの内服や注射に匹敵もしくはそれ以上の効果が認められる.当教室では変形性膝関節症で来院した患者さんに対して,各種運動療法を行ってもらいその効果判定をしたが,いずれの群においても痛みなどの自覚症状・関節水腫・活動レベルなどにおいて効果を認め,運動療法継続中の関節内注射は一切使用せず,痛み止めの内服も最小限であった.血流制限下低強度筋力訓練(一般には加圧トレーニングとして広く行われている)は適切な方法で四肢の血流を制限することにより,低強度の筋力訓練でも高強度の訓練と同等の筋肥大を導く方法として知られている.この方法を膝前十字靭帯再腱術術後早期のリハビリに導入し良好な成績を収めた.この方法はメカニズムや循環系への影響などまだ解明されていない部分も多いが,今後さまざまな分野での筋力強化方法として期待される方法である.
- 2005-06-30
著者
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