筋細胞におけるCa^<2+>homeostasis研究40年を顧みて(<特集>教授定年退職記念講演)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
血清中の遊離Ca^<2+>濃度は〜1mMであるのに対し,筋細胞質遊離Ca^<2+>濃度はこの約1万分の1の低濃度(〜0.1μM)に抑えられている.刺激により活性化されると一過性に数μMに上昇し,その結果筋収縮や代謝活性の増加が起る.本講演では始めにCa^<2+>緩衝系(EGTA, Ca^<2+>指示薬,トロポニンC,カルモジュリン,パルブアルブミン)の特性を述べ,その意義について概観した.次にCa^<2+>ポンプ,EP形成のtransient kineticsを筋弛緩速度との関連において論じた.最後にCa^<2+>遊離チャネルであるリアノジン受容体についてのわれわれの最新の研究成果を紹介し,RyR1はCa^<2+>誘発性Ca^<2+>遊離CICRのゲインが低く抑えられており,CICRは骨格筋の生理的Ca^<2+>遊離には殆んど寄与していないこと,悪性高体温症を起す変異RyR1はCICRのゲインが脱抑制されていることを示した.心室筋多細胞系でのCa^<2+>waveの研究が不整脈発症機構解明に新しい展望をもたらすことを示した.
- 順天堂大学の論文
- 2005-06-30
著者
関連論文
- カエルリアノジン受容体を発現させたmyotubeの脱分極誘発性Ca^遊離におけるCICRの寄与(平成16年度順天堂大学老人性疾患病態・治療研究センター研究発表会抄録)
- 高速Ca^イメージングシステムによるリアノジン受容体/カルシウム遊離チャネルの機能解析(平成15年度順天堂大学老人性疾患病態・治療研究センター研究発表会抄録)
- 高速Ca^イメージングシステムによるリアノジン受容体 : カルシウム遊離チャネルの機能解析(平成14年度順天堂大学 老人性疾患病態・治療研究センター研究発表会)
- 高速Ca2^+イメージングシステムによるリアノジン受容体/カルシウム遊離チャネルの機能解析(平成13年度順天堂大学老人性疾患病態・治療研究センター発表会抄録)
- 骨格筋筋小胞体のリアノジン受容体とカルシウム動態 (特集 骨格筋研究の新展開)
- 1PD054 開確率の異なるtype 1リアノジン受容体に対する酸化・還元剤とチャネル賦活剤の効果
- 中枢神経系におけるリアノジン受容体
- 5.シクロスポリンA頻回点眼による家兎の縮瞳および炎症様反応(平成9年度順天堂大学医学部共同病理研究室利用者談話会抄録)
- 江橋節郎先生と筋弛緩
- 真の生理学の確立を
- リアノジン受容体の分子進化 (生物進化の分子マップ) -- (受容体)
- 筋細胞におけるCa^homeostasis研究40年を顧みて(教授定年退職記念講演)
- 細胞内カルシウムイオン濃度測定のためのCa^指示薬の基礎
- 細胞内情報伝達物質としてのカルシウムイオン
- 筋小胞体Caとりこみ過程のカロリメトリ- (筋小胞体研究の進歩)