口腔レンサ球菌の解糖反応
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概要
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一般に疾患の効率的な予防, 治療には発生機序の理解が重要である。ウ蝕, 歯周病は歯垢微生物によって起こされる疾患であり, これらの疾患の予防・治療法の確立のためには疾患が起こる人体側の病的な変化を明らかにするとともに, これらの疾患に関わる歯垢微生物の生理活性や増殖の基本となる微生物の代謝を明らかにすることが必須である。著者らは歯垢内に多数生息するレンサ球菌を取り上げ, これらの菌の生活・増殖をエネルギー面で支える解糖反応への水素イオン, ナトリウムイオン, カリウムイオン, フッ素, 抗菌剤, 代用糖などの添加によって菌体内で解糖反応がどのように影響されるのかについて, いくつかの独自に工夫した測定系を用いて研究してきた。本総説では, この分野の研究について著者らの研究を含めて紹介した。研究が進み, 口腔微生物の代謝についての理解がさらに深まり, 口腔内疾患の予防, 治療に役立つ日が来ることを期待したい。
- 2003-12-30