実験的糖尿病性末梢神経障害の発症機序に関する研究 : aldose reductase と一酸化窒素の関与について
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概要
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ポリオール代謝亢進と, 神経内血流低下の関係を解明すべく, streptozotocin (STZ) 投与実験的糖尿病ラットに, ポリオール代謝亢進を抑制する, aldose reductase inhibitor (ARI) である fidarestat を投与し, 坐骨神経の複合筋活動電位 (compound muscle action potential ; CMAP), 運動神経伝導速度 (motor conduction velocity ; MCV), 末梢神経血流量 (nerve blood flow ; NBF) の結果について検討した. 実験的糖尿病ラット群では, CMAP, MCV, NBFはコントロール群に比し, 有意に低下した. fidarestat 投与群では, 非投与群に比し, CMAP, MCVは改善傾向を示し, NBFは有意に改善した. 次に, nitric oxide synthase (NOS) 阻害剤の局所循環投与では, 実験的糖尿病ラット群においてNBFの変化は認められず, fidarestat投与群ではNBFが有意に抑制された. ARIは, 糖尿病性神経障害を改善することが知られているが, 本研究の結果は, この機序の一部として, ARIが一酸化窒素 (nitric monoxide ; NO) 代謝を改善し, それが末梢神経血流を増加させることによって, 末梢神経機能を回復していること示していると考えられた.
- 近畿大学の論文
- 2004-10-25
著者
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