3次元レーザー形状計測装置を用いた再建乳房の整容性の定量的評価法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
再建乳房の整容性は, (1) 形状, (2) サイズ, (3) 対称性の3条件が重要である. そこで, 本研究では, 3次元レーザー形状計測装置を用いて乳房の3次元表面形状を2次元平面上に視覚化し, 乳房再建の各種術式における整容性の定量的評価を試みた. 対象は, 2001年4月から2004年3月までの3年間に経験した乳房再建51症例 : 腹直筋皮弁 (16例), 広背筋皮弁 (15例), 組織拡張器法 (20例) とした. 再建乳房の整容性を評価するため, 術後経時的に3次元レーザー形状計測装置を用いて, 乳房の (1) 形状, (2) サイズ, (3) 対称性を定量評価した. 再建乳房の形状評価では, まず, 健側乳房の撮影画像を反転し, 再建側にマスク画像を作成した. 次に, 健側と再建側のマスク画像に撮影されたモアレ縞による等高線を4値化し, 4つ zone の表面積を求め, その変化を解析した. さらに, マスク画像の領域の体積を計測した. また, 再建乳房の対称性を検討するため, 乳房のゆがみ率を検討した. その結果, 乳腺の全摘出における腹直筋皮弁および部分摘出における広背筋皮弁では, ゆがみ率が低値を示し, 整容上, 有用な術式選択と考えられた. しかし, 組織拡張器による再建では, 逆に, ゆがみ率が高値となる傾向が強いため, 本術式の施行に際しては十分な配慮が必要と考えられた. 本装置を用いた再建乳房の客観的評価法は, これまで困難であった整容性の定量的解析法として極めて有用と考えられた.
- 近畿大学の論文
- 2004-10-25
著者
関連論文
- 3次元レーザー形状計測装置を用いた顔面陥凹変形に対する治療効果の判定
- PS-172-7 再建乳房のゆがみ率から検討した乳房の整容性の評価 : 三次元レーザー形状計測解析から
- 再建乳房の非対称率・ゆがみ率を用いた乳房の整容性の評価 : 三次元レーザー形状計測解析から
- 3次元レーザー形状計測装置を用いた再建乳房の整容性の定量的評価法