「地球市民」育成の国際理解教育 : 冷戦後世界をいかに教えるか
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
子どもたちがマスメディアを通して垣間見る国際社会は,サミットの議題となる先進諸国間の経済摩擦やそれをめぐる政治交渉であったりする。そして,発展途上国の貧困や飢餓の問題であったり,あるいは民族紛争や地域紛争を起因とする大量の難民流失や彼らの悲惨な光景であったり,さらには経済的目的のために移民する外国人労働者であったりする。そこで,錯綜化する現代国際社会の諸問題を本質的に理解する能力と解決への糸口を考察する能力を培う揚が求められている。現在の教育現場で推進されている国際理解教育はその意味で重要な役割を負っていると言えよう。しかしながら,日本の「国際理解教育」が予期する理念・目的だけでは現代的諸問題を理解するには不十分であると言わざるを得ない。本稿では国際関係論的視野から「国際理解」や「国際協力」を含めたグローバル教育の必要性を提起してみたい。