意味を基盤とした韓日使役構文の分析 : 非規範的使役構文を手がかりとして
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概要
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韓国語と日本語には,規範的な使役構文と異なり,非使役形の動詞に使役の形態素を付加しても結合価を増加させないものがある。ここでは,それを非規範的使役構文とよぶ。本稿では,このような非規範的使役構文に焦点をあてて次の二つの問題を解決することを目的とする。一つは,非規範的使役構文は両言語とも同じような動機付けによって派生されるかどうか。言い換えれば,両言語を統一的に説明できるものは何か。もう一つは,使役の形態素の機能をどのように定義すれば,非規範的使役構文をも含めた使役構文全体を統一的に説明することが可能になるのか。本稿では,この二つの問題は使役形式の機能を意味的に捉えなおすこと,つまり,行為が表に向かって展開するという意味的他動性の概念に基づいて定義することによって解決できることを提示する。そして,両言語のこのような現象を統一的に説明するために,定延(1998,2000)で提案された「カビ生えモデル」の代わりに,「折り紙モデル」を提案する。
- 2004-03-20