税効果会計における割引現在価値測定
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概要
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現在、国際的な税効果の会計処理方法は資産負債法が主流となっており、その理由としては資産負債法における貸借対照表アプローチにより、繰延税金資産、繰延税金負債の数値に意味ある解釈を与えられる点が支持されているものと考えられる。本稿においてはこうした資産負債法が国際的に主流となっているなかで、資産負債法の表す繰延税金資産、繰延税金負債が将来還付または支払うべき法人税の額であるとする以上、そこには貨幣の時間価値を考慮した割引現在価値測定が必要なのではないかという問題意識をもち、税効果会計における割引現在価値測定について考察するものである。税効果会計における割引現在価値測定について考察するにあたり、本稿においてはまず、問題提起として資産負債法が国際的に主流となっている現状を概観し、資産負債法の特徴を明確にしたうえで、割引現在価値測定との整合性について述べる。次に、税効果会計における割引現在価値測定の経緯と国際的動向を明らかにする。さらに事例を用いて割引現在価値測定を行った場合と行わない場合との財務諸表における影響について考察し、税効果会計における割引現在価値測定の是非について検討する。そして、税効果会計において割引現在価値測定を行う場合に問題となる利子率の選択について論述する。
- 2002-12-01