中国憲法修正における財産権問題
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
社会主義中国は公有制経済が主導する経済制度であるが、私有化が進行しているなかで、数多の一般法の改正には指導方針としての憲法の改正が先に行われる必要があった。中国の最初の憲法はその誕生して以来50年間のなか、数回改正をくわえたが、近年経済面での改革をおこなった結果、従来の憲法規定は時代に合わないとみなされ、そこで、財産権保護に関して公有経済の特有の地位をまず私有財産権の保護範囲を広げることによって公私の対立を緩和し、じょじょに私有財産を公有財産と平等に取り扱うようにしてなされた。こうなれば、民法典の制定における争点にいちおう方向付けを定めたといえる。本稿は、改正の原因、過程および方法について解析し、制度転換としての憲法改正の意義について述べる。
- 千葉大学の論文
- 2004-10-01