人間機械論における概念装置 : 機械アナロジーの有効性
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概要
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この論文の主題は、人間機械論において、人間を機械というメタファーを使用してアナロジーを行うということがどのような意味をもち、またどれほど有効であるのかについて考察することである。生物、その中でも自分を含めた意識的存在としての人間を機械をモデルとして説明する人間機械論では、生理学的身体を機械として説明した上で、その延長として、脳の諸活動とそこから生まれる意識をも機械的に説明可能である、という立場をとる。生物の身体活動はほとんどが機械的、反射的なものであり、その経路を「機械的」に記述することができる。しかし生物の中でも意識を持ち、複雑な精神活動を行い、なおかつ言葉を使用する人間の意識は、果たして同じ機械としての説明を受けるのか、という問題は古くから存在していたが、それに断固として機械のメタファーで語り続けてきたのが人間機械論である。それでは、人間を機械という概念を利用して理解しようとする思考行為の前提となるのはどのような条件であろうか。もしくは機械メタファーで人間を記述するということは、どのようなことであるのだろうか。
- 千葉大学の論文
- 2001-02-01